中学で学ばない日本史の常識18 2種類あった荘園

日本史B

荘園について

 今回紹介するのは荘園です。荘園と言えば知っている人が多いと思いますが荘園は実は時代によって呼び方の異なる2種類の荘園があります。これについては日本史Bでは常識ですが中学歴史では学びません。

日本史Bの常識~十八~

問:奈良時代に見られた荘園、平安時代に見られた荘園、それぞれの名称を答えてください。

日本史B:奈良時代・初期荘園、平安時代・寄進地系荘園

中学歴史:前期荘園、後期荘園・・?

初期荘園

 荘園の始まりは、奈良時代です。飛鳥時代に始まった班田収授。班田収授とは6歳以上の人に口分田と呼ばれる田んぼが与える法律で、この田んぼが与えられるとコメを作りある一定のコメを税金として中央に収める必要がありました。これが租と呼ばれた古代の税みたいなものです。

 この租はコメがよく取れるときはいいですが、不作の時は大変な状況に追い込まれてしまいます。

 人々は大変な状況から逃げ出すために工夫を凝らしました。この当時すでに戸籍というものが存在しこれに基づいいて班田収授や税の徴収が行われていたのですがこの戸籍をごまかしたり、存在を失くしてしまうことで班田収授や税から逃れようとしました。

 こうして人々が次々と戸籍をごまかしていくことで日本中の田んぼが荒れだし、システムは崩壊していきました。

 そんな中、奈良時代に入り出された法律が墾田永年私財法です。これは自分で開墾した田は自分のものにしてよいとという法律で中央はこの法律を出すことでシステムを維持しようとしたのですが、逆に更にシステムが崩壊していくことになっていきます。

 上の法律が出たことで人々は意欲的に田んぼを開墾し、多くの田が私有地となっていき租のシステムはもう完全に崩壊しました。

 その代わり貴族や郡司は金で人を雇い田を開墾させたり人の私有地を金で買うことでコメを集めました。そして貴族や郡司が持つ田は広大なものとなり荘園が形成されていくことなります。これを初期荘園と言います。初期荘園の特徴は荘園の所有者が所有しているのが田だけであることです。そして田を耕すのは所有者が金で雇った人であることです。

寄進地系荘園

 平安時代に入り国司は農民を雇い土地を開墾させることで税金を得ていました。国司に雇われた人は田堵と呼ばれましたがこの田堵の中には力を持つようになる人もいてそのような人は大名田堵と呼ばれました。

 国司に雇われていた大名田堵ですが次第に国司を邪魔に思い大名田堵は自分の支配する土地を貴族や寺社に寄進するようになりました。こうしてこれらの土地は寺社や貴族が所有することになり荘園となりました。このような荘園を寄進地系荘園と言います。

 この寄進地系荘園が初期荘園と違うのは支配者が土地だけでなく人も所有しているところです。初期荘園は外から人がやってくるイメージですが寄進地系はその土地に人が住んでいるというイメージです。つまり寄進地系の荘園とは貴族や寺社が支配している領土だと考えることができます。

 ちょっと難しいかもしれませんが簡単に言えば支配力が強くなったということです。

まとめ

奈良時代に見られた荘園:初期荘園(土地のみを支配する)
平安時代以降に見られた荘園:寄進地系荘園(土地と人を支配する)

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