澤村伊智「ぼぎわんが、来る」の感想 (映画「来る」原作) 凶悪な怪物とミステリー的な仕掛け

「ぼぎわんが、来る」

来月「来る」というホラー映画が公開されますが澤村伊智さんの「ぼぎわんが来る」はこの映画の原作です。

澤村伊智さんは同作で日本ホラー小説大賞を受賞し同作で作家デビューを果たした作家です。

期待されているホラー作家のひとりです。

比嘉姉妹シリーズ

「ぼぎわんが、来る」には女性霊能力者の比嘉琴子と比嘉真琴が登場しこの2人が登場する作品がほかにも何作か出されていて比嘉姉妹シリーズとなっています。

「ぼぎわんが、来る」のあらすじ

田原秀樹は幼いころある恐ろしい体験をする。灰色の影をした何者かが家を訪ねてきたのだ

秀樹は祖父からあれが来たら戸を開けてはならないという話を聞く。

のちに秀樹はあれは「ぼぎわん」という化け物で、祖父と祖母は「ぼぎわん」という怪物を恐れていたことを知る。

秀樹は仕事で出会った香奈と結婚し、後に香奈は妊娠し、幸せな結婚生活を送っていたある日、秀樹の会社に謎の存在が訪れる。

謎の存在を対応した秀樹の部下、高梨はそれ以降急激に体調を悪化させる。

不審な出来事ではあったが、娘の知沙が産まれたことで秀樹はこの出来事を忘れようとする。

そして秀樹は家族と充実した日々を送っていたが秀樹の家で怪異が起こったことで幼いころのあれが家族に迫っていると考え、家族を守るためにあれの調査を始める。

ミステリー的な仕掛けが面白い

この作品はホラー作品ですので怖いところもありますがミステリー的な仕掛けがいくつか施されているのでミステリーとして楽しむこともできます。

この作品は3つの章から構成されていて章ごとに視点となる人物が変わります。なので視点となる人物の主観がふくまれた内容になっているので読者は騙されてしまいます。

比嘉真琴

この作品の中で比嘉真琴はかなり魅力的なキャラです。どうみてもお払いができるような人物には見えないのに本当の霊能者であるというギャップが面白いです。

そして優しい心を持っており、ほぼボランティアで巫女のような活動しています。

比嘉琴子VSぼぎわん

真琴の姉、比嘉琴子はかなりの力を持つ霊能者でそれは怪異も恐れるほどです。一方「ぼぎわん」も怪異の中でもかなりの力持つ存在で作品のラストではこの2者が激しい戦いを繰り広げます。

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