一柳実結シリーズ
一柳実結シリーズは沢村鐵さんによる警察小説シリーズです。
2013年から始まり、シリーズ全4巻が刊行されました。
私は藤堂比奈子シリーズや姫川玲子シリーズが好きでほかに女性刑事が主人公のシリーズがないかと思い見つけたのがこのシリーズです。
このシリーズは4巻出ていますが、1巻で一つの話ではなく4巻で一つの話が解決するシリーズとなっています。
一柳実結シリーズはその名の通り主人公は一柳実結という女性刑事です。
ある大学の教授が爆殺された事件から物語は始まり、シリーズを追うごとにスケールが大きくなっていきます。
スケールが大きくなるとともに話が複雑化していくのでかなり読み応えのある作品となっています。
あらすじ
シリーズ1 フェイスレス
主人公・一柳実結は元恋人である刑事の吉岡悠馬とともにある大学で起きた教授爆殺事件の捜査に加わります。
犯人を目撃したはずの講師・佐々木忠輔は顔を認識できない障害を持っており、犯人を認識できていませんでした。
また教授のもとで学ぶ、4人の留学生にはどこか怪しい影が見えていました。
その後も不審な事件が続き、事件は混迷していく。
やがて世界的に有名なハッカー、Cによる犯行声明が出て事件は驚きの展開を見せる。
シリーズ2・スカイハイ
Cことチャールズが姿を現した。その場所はまさかの日本・東京。
天才的なハッキング技術を用いて一瞬にして東京を支配下に置いたチャールズ。
混乱する警察だが、実結や悠馬、佐々木忠輔、情報技官の水無瀬、留学生たちは協力してこの事態に立ち向かう。
しかしチャールズの本来の目的はCの名をけがした王を高層タワーに閉じ込め殺すことだった。
シリーズ3・ネメシス
人類の敵、田中が現れる。
その田中と対面したのは実結。実結はその存在感と圧倒されていしまう。
チャールズが日本に来た本当の理由は田中を殺すことであり、その最終目標に向かって着々と準備を進めていた。
一方、田中が例え人類の敵であっても殺人だけは絶対に許されないという考え持つ佐々木忠輔はチャールズの説得を試みる。
佐々木忠輔とチャールズは果てしない論争を繰り広げ、さらにそこに田中が加わり、論争は別次元へと突入する。
シリーズ4・シュラ
シリーズ最終巻。
学生時代に家族全員を何者かに殺された過去を持つ実結は田中からその犯人を教えられ、実結はその犯人への復讐を誓い行動を開始する。
一方、水無瀬や佐々木忠輔、悠馬、捕まったチャールズは田中を倒すべく行動を開始する。しかし警察内部には多くの田中派がいて、警察内部の争いが始まる。
果たして田中を倒すことはできるのか。そして実結の行方は?
シリーズの魅力1・大規模なサイバー戦
Cことチャールズのハッキング能力はすさまじく、その力は東京を一瞬にして支配下に置いてしまうほどである。
さらにそのハッキング技術はサイバー世界だけにとどまらず現実世界にも及んでおりもうやりたい放題である。たとえば高層タワーに多くの人を閉じ込めてしまったり、田中を殺すためにミサイルを動かしたりとその規模がすさまじい。
しかし、警察内部にもすさまじいハッキング能力を持つ男がいる。それが情報技官の水無瀬である。彼は警察官でありながら違法行為を繰り返していてこちらもやりたい放題。しかも彼は驚きの過去を持つ。
そんな二人が敵味方に分かれ大規模なサイバー戦を繰り広げる様は興奮が止まらない。
魅力2・頭が良すぎる佐々木忠輔
最初の事件に巻き込まれたことからこの一連の事件に協力することになる佐々木忠輔ですがとにかく彼は頭が良すぎる。
常人には理解できない理論をいくつも構築しており、決して自分の信念を曲げない男である。
それは証明が完了した理論が間違えていることはありえないからという普通の人からすれば変人にも見える。
しかし人類救済のためでも殺人は許されないと断言してしまえるところはすごい。
魅力3・人類の敵田中
チャールズの人類の敵とされた田中。人類の敵というと大げさに聞こえるかもしれないがこの男はそれが全く大げさではないくらい異常な考えを持っている。
その異常さが異常とは感じられないほどの圧倒的な存在感には彼はもはや人ではないとも言える。
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