「スマホを落としただけなのに」
「スマホを落としたけなのに」は志駕晃のデビュー作となった小説です。
志駕晃は元々は某ラジオ局で番組ディレクターとして長年勤めていて現在もラジオ局に勤務しています。
志駕さんのデビューのきっかけとなったのはこのミステリーがすごい大賞です。
これは新人の作家を発掘することを目的とした賞です。
この賞で「スマホを落としただけなのに」の元となった作品「パスワード」は最終選考まで残りましたが、惜しくも受賞を逃しました。
しかしこのミス大賞は受賞を逃してもまだチャンスはあり、「パスワード」はこのミス大賞の隠し玉に選ばれたことで本として出版されることが決まりました。
埋もれてしまいそうだった作品が映画になるところまでいくのですからこのミス大賞はチャンスがある賞だと言えそうです。
そんな「スマホを落としただけなのに」はどんな作品なのでしょうか?まずはあらすじを紹介します。
あらすじ
大手家電メーカー勤務の富田誠はある日、タクシーでスマホを落としてしまいます。
そんな事情を知らない富田の彼女、稲葉麻美は富田のスマホに電話をかけるとハスキーな声の知らない男が応答し、麻美は困惑しますがその男はタクシーでスマホを拾った人であることを知ります。
結局男は手渡しで麻美にそのスマホを返すということで、問題は解決したかのように見えましたが実はスマホを拾った男はネット上で悪事を繰り返すハッカー(クラッカー)であり、難なくスマホのパスワードを突破しそのスマホに残されていた麻美の写真を見たその男は麻美を気に入りどうにか麻美を自分のものにしようと策を練り始めました。
スマホは無事麻美に返却され富田のもとへ届けられましたがそのスマホはすでに男の手中にありました。そして徐々に男の魔の手が麻美に忍び寄ろうとしていました。
一方で神奈川県警の毒島と部下の加賀谷は神奈川県の山奥で発見された身元不明の女性の死体の捜査に当たっていました。
地中深く埋まっていたはずのその死体がたまたま発見されたことでその山で次々と女性の死体が発見され、その死体はすべて特徴を持っていました。
しかしなぜかどの死体も身元が判明せず、事件は混迷を極めていました。
ネット社会に警鐘を鳴らす、衝撃の作品
スマホを落としただけである凶悪な事件に巻き込まれることになったと聞くとそんなことはフィクションの世界でしか起こらないと思ってしまいそうですがこの作品を読めばそれが全くフィクションでないことがわかると思います。
つまりこの作品はフィクションですが、読んだ後、小説の中でだけの話として割り切ることのできないような内容となっています。
それはなぜかと言えば、この作品で登場する犯人である、ある男はネット上で悪事を繰り返していますが、決してすごいハッキング技術を持っているわけではないからです。
もしある男がありえないほどのハッキング技術を持っていてその技術を使い麻美に忍び寄るような作品であればあまり現実感はなく、まあフィクションだから・・・となると思います。
あまりに高い技術だとそれを小説に書いたところで理解できないのでそういうのは省略されることが多くなっています。
この作品の男が麻美に忍び寄っていく手段はかなり克明に小説中で描かれており、それは決して読者に理解できないような内容ではないのです。
つまり、それほど技術を持たない人でも比較的簡単に悪事を行うことができるということをこの小説は読者に伝えているのです。
そしてそんな危険な社会が普段我々が利用するネット上には広がっているのです。
あなたはこの作品を読んだ後でも平然とネットを利用することができるでしょうか?
(私は恐ろしくて、とりあえずパスワードを変えました(笑))
映画「スマホを落としただけなのに」
映画「スマホを落としただけなのに」は11月2日公開です。
主演は北川景子で富田の彼女、稲葉麻美を演じます。スマホを落とす富田を田中圭、ある事件を追う刑事、加賀谷を千葉雄大、その上司の毒島を原田泰造、麻美がセキュリティの関する相談をする浦野を成田凌、麻美に近づく元同僚・小柳をバカリズム、麻美の同僚・杉本を高橋メアリージュン、麻美の元彼氏・武井を要潤が演じます。
この中に犯人がいる・・・?
ネタバレ
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男の正体は誰?
富田のスマホがランサムウェアにかかったときに富田と麻美はセキュリティに詳しいある浦野に相談します。
そして麻美のスマホもランサムウェアにかかり再び浦野に相談をし浦野は見事解決させます。
そのことで麻美は浦野に気を許し二人で飲みに出かけたところ、そこで麻美は浦野にある山小屋に連れ去られてしまいます。
果たして麻美はどうなるのでしょうか?そして麻美自身の秘密とは?
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