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天皇を目指した道鏡と阻止した和気清麻呂 日本史Bの常識13

奈良時代

 今回は奈良時代後期の大事件についてです。この事件には私の好きな二人の人物が関わっています。

日本史Bの常識~十三~

問:道鏡の天皇の位につくことを狙って起こした事件とそれを阻止した人物は誰?

日本史B:事件、宇佐八幡宮神託事件 人物、和気清麻呂
中学歴史:道鏡??

僧から法王へ

 道鏡は前回でも紹介しましたが奈良時代の権力者の一人です。もともとは僧でしたが孝謙上皇の病気を治したことで歴史の表舞台へと登場することになります。

 治したとはいっても治療したわけではなく念じたらたまたま治ったというだけの話です。しかしこれをきっけけに女性である孝謙上皇は道鏡を非常にかわいがります。つまり恋愛感情が生まれてしまったのです。

 孝謙上皇は上皇でありこの時点ではいったん皇位を退いていました。しかし、当時の天皇と関係が悪く孝謙上皇はこの天皇をやめさせ自分が再び皇位につきました。ちなみにいったん天皇をやめた後再び天皇になることを重祚と言います。重祚すると別の名前が与えられ重祚した孝謙上皇を称徳天皇と呼びます。

 称徳天皇はかわいがっている道鏡を重役に就かせます。道鏡は次々と位が上がり最終的には天皇に準ずる位である法王となります。

神を利用した道鏡

 法王となった道鏡が次に狙ったのはもちろん最も位の高い天皇です。しかし天皇家と血縁関係にないものが天皇に就くことはありえないことです。道鏡は元々は僧であり天皇家とは関係がありません。だからこそ天皇になるには策を練る必要がありました。

 道鏡が天皇となるために利用したのが神です。ある時、宇佐八幡宮というお寺で道鏡を天皇とすべきという神のお告げがあったという知らせが朝廷に届きます。

 神からのお告げなら仕方ないということで道鏡は天皇になることが決まりそうになります。しかしその前にこのお告げが正しいものなのかを和気清麻呂という人物が宇佐八幡宮まで行って確かめることになりました。

 そして和気清麻呂はこのお告げが嘘であることを朝廷に伝えました。もちろん神のお告げなどなくこのお告げは道鏡が画作したことであり和気清麻呂はこの狙いを打ち破ったのです。この事件を宇佐八幡宮神託事件と言います。

 結局道鏡が天皇になることはなく最強の後ろ盾であった孝謙上皇がなくなったことをきっかけに朝廷から追い出されることになりました。

 一方和気清麻呂でですが道鏡の狙いを打ち破ったことで当然道鏡の怒りを買い、「わけべのきたなまろ」というそのまますぎる名前に改名され遠地に飛ばされてしまいます。道鏡が失脚したのち朝廷に復帰し重役を歴任することになります。

まとめ

道鏡が天皇を狙って神を利用した事件を宇佐八幡宮神託事件と言い、和気清麻呂がこれを阻止した。